NHKラジオ深夜便「明日へのことば」を聴く

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平成25年9月18日 NPO法人ブリッジ・フォー・ピース代表 神直子氏

平成25年 9月18日放送


「加害者の”痛み”を知ることで被害者と向き合える」

NPO法人ブリッジ・フォー・ピース代表 神直子氏

NPO法人ブリッジ・フォー・ピース公式サイト




 NPO法人ブリッジ・フォー・ピース代表の神直子氏は、元日本兵の戦争体験談をビデオに記録しフィリピンの戦争被害者の方々に届けるという活動をされています。

 神氏は大学での体験学習としてフィリピンを訪れた際、スパイ容疑で夫と生き別れたという女性から

「日本人なんか見たくなかった」

と言われたことにショックを受けます。

 そして帰国後、中国で自分のしたことを後悔してその体験談を話し続けているという元日本兵の話を聞き、今でも加害者としての戦争体験に苦しんでいる姿をフィリピンの戦争被害者の姿に重ね、たった一人で元日本兵の方々に取材し、そのインタビュー映像をフィリピンに届けることを決意します。


 「自分が一番つらかった時の話を涙ながらにして頂いた。その方たちに対して戦後世代として何かできることがあるとすればその想いを届けることじゃないかなという私なりの結論に至ったんです。」

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平成24年4月20日 NPO法人日本チョウ類保全協会理事 松村行栄氏

平成24年 4月20日放送


「ヒメギフチョウの舞う頃」

作家 NPO法人日本チョウ類保全協会理事 松村行栄氏

日本チョウ類保全協会
活動報告ブログ
赤城姫を愛する集まりwebsite




 幼少時から父親と小学校の先生の影響でチョウに親しんでいた松村氏は、日本に約240種類いるチョウのうち1/4が絶滅に向かっているという現状に危機感を抱き、57歳で製薬会社研究員の職を辞してチョウの環境保全活動に専念する道を選びました。

 「チョウは自分にとって一番の親友」と言ってはばからない松村氏は、チョウを愛でて楽しむという文化を一般に広めていくことの重要性のひとつとして、チョウを守ることは日本の文化を守ることだと言います。


 「人間の生活様式が変わってくると自然との関わりが変わってくるわけですね」


 かつての里山では、薪を作ったり落ち葉かきをする事によって常に手を加える事で自然を作っていましたが、やがて炭がガスになり、雑記林が不要なものとして放置されるようになると、自然環境も荒れ果て生物にとっても住みづらい環境になってしまいました。

 こうした現状に対し、松村氏は山との関わりを新しく作っていくことを訴えかけ、そのモデルケースとしてイギリスの例をあげています。

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平成23年9月16日 作家 乙武 洋匡氏

平成23年 9月16日放送
平成23年10月10日までネット公開 - NHK ONLINE

「震災で感じた“僕のできること”」

作家 乙武 洋匡氏

乙武 洋匡(おとたけ ひろただ) - Wikipedia




 「五体不満足」の著者として知られる作家の乙武洋匡氏のインタビューを聴きました。

 東日本大震災の際、東京のビル内で地震に遭遇し友人たちに抱えられて非難することとなった経験や、その後、友人たちが被災地で自らの肉体で救援活動を行いその報告をtwitter等を通して聞かされていた間、自分が同じように活動に参加できないことに悔しさを覚えていたことなど、それまでの乙武氏の活動方針には見られなかった後ろ向きな感情についても触れられていたのが今回のインタビューの特筆すべき点でした。

 どんなに強い人間でも、ふとしたことで弱気な感情が頭をもたげ始めることは必ずあるものですが、これまでの乙武氏はそのような弱さを正面から弾き飛ばしてしまうような前向きさが前面に出されることが多かったにも関わらず、今年の7月に出版された著書では弱者としての障害者である自分について再認識する姿が描かれています。

 この心境の変化には、震災後の葛藤とその答えとして被災地へ赴き、現地の人々と交流した際の体験が大きく関係しています。

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