NHKラジオ深夜便「明日へのことば」を聴く

不定期更新です

平成26年7月17日 日本鯨類研究所顧問・農学博士 大隅清治氏

平成26年7月17・18日放送

「クジラ牧場にかける夢」

大隅清治(おおすみ せいじ)- Wikipedia

覚え書き

調査捕鯨中止の判決

  • 今年3月の国際司法裁判所からの南極海での調査捕鯨中止の判決は、日本の主張も充分に通っており、調査自体を否定するものではない。
  • 現在も南極海での調査捕鯨を計画中。

鯨類研究所

  • 戦後、GHQが資源調査を条件として、食料不足を補うための捕鯨を許可した。
  • 国際捕鯨委員会の決めていた捕獲制限数は科学的な根拠がなく、クジラ資源が減っていったため、鯨類研究が必要となった。
  • 当時の鯨類研究所は、同年代の研究者が切磋琢磨していて、クジラのトキワ荘のようだった。
  • 捕鯨は、当初欧米のほうが盛んだったが、鯨油のみを目的としていたため頭数の減少にともない採算が合わなくなり、撤退していった。
  • ハクジラ類の歯の断面は木の年輪のようになっていて、マッコウクジラは1年に1層できることを世界に先駆けて発表した。
  • ヒゲクジラ類の耳垢にも年輪ができるが、1年に2層出来るという説は間違いで、1年に1層できるという事実を突き止めた。

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平成26年4月15日 作家 立花隆氏

平成26年 4月15日放送

「”自分史”で豊かなセカンドステージを」

立花隆 - Wikipedia
立花隆の自分史倶楽部



覚書
1.立教大学のシニア向けコースで「自分史の講座があるべき」と提案して自分でやることになった。
2.受講生は49人。幅広い階層から応募があったが、女性の多くは学校の教師や看護師・保健師経験者。
3.60歳は人生の中間点。人間は還暦を過ぎて一人前になる。
4.徹夜で受講生の自分史を読んだが、誰の自分史を読んでも面白い。
5.自分史を書く3つのポイントは
  ・自分史年表
  ・人間関係クラスターマップ
  ・エピソード集
  を作ること
6.自分史を書く時は異性との関係が重要。
7.時代の大きな枠組は日本の総理大臣とアメリカの大統領を思い出せばいい。
8.時代を見直すためには、すべての人が自分史を書いてすべての人がそれを見られるようにする必要がある。



感想
 2008年に立教大学のシニア向けコースで自分史講座を開講した作家の立花氏が、そのなりゆきと成果、そして自分史を書くことの意義について語られていました。

 自分史を書くというとどうしても肩に力が入ってしまいそうですが、「ある程度の歳をとると良い意味で自分の人生とは何だったのかと思うようになる」「世界の歴史の一部としての自分史を書きたいという気持ちが誰の中にもあるはず」という言葉にはなるほどと思いました。

 私もいずれ一人前になって筆を執る時のためにしっかり下準備をしておこうと思います。


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平成22年09月06日 作家 西村 京太郎氏

平成22年09月06日放送
「トラベルミステリーを書き続けて32年」

作家 西村 京太郎氏

西村京太郎(にしむら きょうたろう) - Wikipedia



 トラベル物の推理小説の第一人者として知られる西村京太郎氏が、売れっ子作家ならではの悩みやこれからの展望などを語っておられました。


 内容は、鉄道ファンからの厳しい突っ込みをはじめ、編集者に「トラベル物をやめて別のものを書きたい」と言うと「良いですね」と返ってくるものの、続けて「でも、うちはダメですよ」と断られるといったトラベルミステリーの権威としての地位を確立されている西村氏ならではの苦労が伺えるものでした。


 また、再登場した人物の名前を間違えて書いてしまっても、ミステリーなので「何か意味があるのでは」と思って編集者が指摘してくれない、そして、そのフォローをするための理由付けに苦労したのでそれ以降、「地方の刑事はみんな三浦」という具合に名前を統一することにしたという話は、多作で知られる手塚治虫がスターシステムを採用してキャラを描き分ける負担を軽減したのに通じる合理主義精神を感じて面白かったです。


 苦労話のほかには、本屋やキヨスクで自分の本を手に取った人がいると「買ってくれたらサインくらいしようかな」と思ってじっと見ていてもそういう時に限って不思議と買ってくれない、と冗談交じりにぼやいたり、インタビュアーが記念館の感想用紙に書かれていたファンからのメッセージを読み上げて「うれしいですね」と感想を促すと、照れ隠しのように「うれしいでしょうね」と応えるあたりは、西村氏の人柄がにじみ出ていて印象深いものがありました。


 インタビューの最後にパソコン・携帯小説などの登場による時代の変化に対する不安や、加齢による身体感覚の変化、奥さんが必要不可欠な存在であること、十津川警部の最後の事件の構想などを語られていましたが、80歳という年齢を感じさせない確かな語り口には今後の活躍と構想の完遂が十分に期待できるものであることを予感させてくれるものがありました。

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